「ソシャテキ!」2015年に読んで面白かった本ベスト4
遅ればせながらあけましておめでとうございます。
今年はコンテンツを増やしながらさらに面白おかしいブログにしていく所存ですので、より一層のご愛顧をば!
さて本来ならこういったタイトルの記事は年内にUPするべきなんでしょうけど、年末年始で帰省してからは堕落してしまい無理でした…。
大晦日に投稿した記事に全力をかけすぎて抜け殻になったのもありますが。
それはさておき、私「そしゃ的に」面白かった作品や良かった商品を紹介する記事を「ソシャテキ!」と名づけてみました。
#ソシャテキ
初回は2015年の残尿感を(すいません)スッキリさせるべく、「2015年に読んで面白かった本ベスト4」と題して紹介します。
ちなみに元々は「本嫌いではないけど読書が続かないタイプ」だったんですけど、何とかしなきゃと一念発起したんですよ。
そこで年初に作った「2015年にやりたいこと100リスト」に「何でもいいから毎月2〜3冊本を読む」ってのを入れました。
(今年のバージョンも作らないと…)
諸先輩方と比べると全然大したことない量かもしれませんが、「何かを始めるには遅すぎるということはない」と思うので、実現可能なペースで読み進めて無事達成!
・手につけた本(買ったor手にとった積読本 ※雑誌&マンガ除く、Kindle含む)は46冊
・うち読破したのは33冊
ありがとうございました。もう満足です。嘘です。
今年はKindleも活用しながら目標を上方修正するぞー!
さて少し本題から逸れてしまいましたが、理解力に乏しいけどエモが大好きな「そしゃ的」に面白く読ませていただいた本ベスト4を発表しますね。
なお書くにあたり「Twitter芸人」としての意地もあったので、「ツイート4回分=560文字」以内で書きました。
第4位
「サヨナライツカ/辻仁成」
いきなりスイーツ小説かよ!!!
すいません、ベタなの嫌いじゃないんです・・・。
映画化もされたこの作品、ぼくは予告編しか見てないんですけど西島秀俊と中山美穂が二人とも綺麗だなーと思い気になってました。
前半は「リア充ワロスワロス」って感じの冷めた目で読んでたのに、後半の年老いてから手紙を交わしたりする二人の描写にエモがノックアウト。
ネットに上がった書評記事を見回してみましたが、老いて別々の道を歩んでいたのに互いを忘れられない二人に対し「みじめ」とか否定的な言葉が浴びせられたのは意外でした。
ひょっとして男女の恋愛観が分かれるところなのでしょうか。
たしかに辻氏の描く「理想の男女関係」がネッチャネチャに表現されているような気もします。
辻氏のオサレな台詞回しは人を選ぶかもしれませんが、むしろ「情愛に堕ちたとき」は誰しも激しく自己陶酔するものなのでしょう。
ぼくは童貞根性をこじらせていた大昔、別れた彼女に手紙をしたためたことがあります。
結局チキって出さなかったんですけど、こないだ何の間違いか実家の本棚からそれが出てきたんですよ!
もう読んでて顔から血が出そうになるほど恥ずかしかった・・・。
でもそんな経験があるからこそ二人に同情することができたし、客観的な「イタさ」なんてどうでもいい程の恋愛経験がある人は読んでみてください。
(560文字)
第3位
端的に言うなら「不愉快極まりない!」
なのに「どんどんのめりこんじゃう不思議!」って感じです。
昆虫採集のために砂丘地帯にやってきた主人公(すでに異質)が不条理にも「砂地獄のように脱出できない家」に閉じ込められ、脱出を試みていくストーリー。
首尾一貫して「砂」をテーマとしており、作者の巧みな言葉遣いがまるで自分も砂にまみれているかのような不快な気分にさせるんですよ、本当に。
(海から上がって顔や身体に砂が付きまとう“あの感じ”です)
問題の家で暮らしていた女との共同生活を経て態度を変容させていく主人公を見ていると、「人は理不尽な窮地に追い込まれたとき、どのように自分を納得させていくのか」否応にも考えてしまいました。
フィクションなのでオーバーではありますが、田舎の部落特有の孤立感というか「治外法権」な空気感が読んでいて余計にイライラさせます。
どうして読み進められるのか分からなくなってくるレベル!
久しぶりに他を排除して作品の世界にのめりこんで(溶け込んで?)しまい、もはやこの小説そのものが砂地獄なんじゃないかという気さえしました。
繰り返しにはなりますが、この作品のウリは読者をひたすら不愉快にさせる表現の連続パンチ。
とにもかくにも皆さんにも読んで欲しいし、この気持ち悪さを共有したい!
これはもはやサスペンスです。
(556文字)
第2位
「君の膵臓をたべたい/住野よる」
2015年に流行った作品の1つなので紹介しようか迷ったんですけど、素直に「好きだ」と思えたので取り上げます。
プロットとしては「青春系恋愛小説」の王道。
特に「友達がいなくて閉鎖的な性格」の主人公男子氏が「いつも大勢のなかにいる明朗快活な人気者」のヒロイン女子氏に導かれる流れはデジャヴですよね。
それなのに、どうしてこの作品は面白かったのか?
・・・年末からずっと考えてたんですけど、強いて言うなら「王道力」かもしれません。
作者は間違いなく「セカチュー」や「恋空」に影響を受けています。
故にあの時代に起こった「純愛ブーム」を、昨今のトレンドである「草食系自意識過剰アイロニカル男子の日常」に焼き直しただけかもしれません。
それでも万人をひきつける力がここにあるんだろうなと、改めて実感しました。
何を隠そうぼくの学生時代も、「草食系自(以下略)男子の日常」でした。
この主人公よりは社交的でしたけど、心の底には間違いなく存在した「人と関わるのが怖い」という気持ち。
誰しもが抱えている泥沼を、ちょっとオーバーな描写だけど、でも確実に消化させてくれたことに感謝したいです。
膵臓だけにな!
(ちなみにとあるフォロワーさんと、この小説と“桜が咲く前に”はしっくりきますねという話がきっかけで繋がりました。サンキュー膵臓フォーエバーきのこ帝国!)
(558文字)
第1位
2015年に読んだなかで、もっとも魂揺さぶる作品でした。
「生」を根幹に据えた一つの物語を5つの短編が織りなしていく本作は、ぼくらが生まれもってしまった「やっかいなもの=“性”」を異なる登場人物の立場から綴っています。
序盤は思わず目を覆いたくなりような性描写が続きますが、まるでエネルギッシュに流れる大河のような「生」を描くラストへのつながりは圧巻。
あまりぼくのことばかり書くのも恥ずかしいんですけど、「性って厄介だなあ、手放したいなあ」と悩んでいた時期が過去にありました。
綺麗事抜きにするなら、性のおかげで快楽に浸れるけど、皆が各々のペースで自分勝手に求めるからこそ傷つく人だっているわけで。
しかも「性」って画一的ではないし、現に作品内では「性的倒錯者」についても描かれています。
でも、というか当然生きている以上は結論なんて出ないし、厄介だろうと共に生きていくしかないんですよね。
本作は「絶望でも救済でもなく、ただそこにあること」を伝えているところが好きです。
「Aだからかわいそう」とか「Bだからすばらしい」とかじゃなくて、「どんな事情があっても抱えていくほかない」という現実。
決して悲観的でもなければ過剰にハッピーでもない「生きることへの覚悟」を、テンポ良くしかし丁寧に表現し切った本作はぼくのバイブルになりそうです。
(557文字)
以上で終わりです。
他に入れようか悩んだのは、
「この社会で戦う君に『知の世界地図』をあげよう 池上彰教授の東工大講義 世界編/池上彰」
「嫌われる勇気 自己啓発の源流『アドラー』の教え/岸見一郎・古賀史健」
「サマーサイダー/壁井ユカコ」
「明日のプランニング 伝わらない時代の『伝わる』方法/佐藤尚之」
「起業家のように企業で働く/小杉俊哉」
「日本の思想とは何か 現存の倫理学/佐藤正英」
…じゃあベスト10でいいじゃねえか!!!
ごめんなさい、一つ書くのに気合入れすぎて途中で面倒くさくなりました。、
こうやって振り返ると、昨年は小説ばかり読んでたことが分かります。
他者のストーリーに入り込んで現実逃避するのが趣味なので、どうしても偏っちゃうんですよね…。
今年はノンフィクションや人文科学にもたくさん触れていく予定!
(あとは積読を解消せねば…)
ちなみに次回は「2015年によく聴いた音楽」で書きますので、今後も「ソシャテキ!」どうぞよろしくお願いします!
そしゃ!